近年、葬送もさまざまな形が選ばれるようになりました。霊園、墓地、お墓の維持管理にとらわれないという理由や、生前海が大好きだった故人、家族の希望などで、海へ散骨をする海洋散骨が増えています。
葬送は故人をお送りする最後の大事なセレモニーです。海洋散骨を希望されていても、初めてのことでどのように業者を選んだら良いかわからないという声がありますので、こちらのページでは業者選びの際に留意すべきポイントをご紹介いたします。
◆値段だけで業者を選ばない
海洋散骨の業者にもさまざまあり、中にはきちんとした対応をお客様に提供できていないケースも見受けられます。このような業者に依頼してしまうことのないよう、まずは金額についてみていきましょう。
まず海洋散骨のプランには通常3つほどあります。
・故人散骨(船を貸し切る場合)
・合同散骨(いくつかの遺族と合同で乗船する場合)
・委託代行散骨(業者が遺族に代わって散骨を行う場合)
※プランは取り扱っている業者にかわります。
値段に関してはプランによって違いがあり、オプション追加などもあるので、値段もさまざまです。しかし、ここで注意していただきたいのは、値段だけで良し悪しを判断しないことです。まずはプランの中にどのようなものが含まれているか確認しましょう。
▼「海洋散骨に含まれていると考えられるもの」
・粉骨代 | ・スナップ写真代金 |
・献花代 | ・燃料代 |
・献酒代 | ・骨壺処理代 |
・散骨証明発行代 | ・人件費 |
特に粉骨代は別途費用が必要になっているプランもあります。事前に粉骨代がプラン内に含まれているか確認しましょう。また、悪天候などで船が出航しない際や、遺族の体調不良で向かえないなどの特殊なケースが生じた場合は、どのような対応になるのか、追加料金は必要になるのか、など事前確認をしていくとよいでしょう。
一番避けたいケースは想定外の後日追加請求がくることです。最初に依頼申し込みをする際に、追加料金が発生する際はどのようなことがあるかなど確認しておくことが大切です。
★ポイント
事前に依頼するプランにどのような内容が含まれているか要確認。
粉骨代が含まれているか、悪天候などで出航しない場合などの対応等、事前チェック。
◆旅客不定期航路事業の届け出をしている
船舶にお客様を乗船して海洋散骨を行う場合、以下の許可を要している船でないと行うことができません。
・旅客不定期航路事業許可(13名以上の旅客定員を有する船舶)
・内航不定期航路事業許可(12名以下の旅客定員を有する船舶)
これらの届け出には搭乗者損害保険の加入も義務付けられています。もちろん当社は許可を得て操業しております。万が一無許可で海洋散骨を行なっている業者がありましたら、ご注意ください。
許可を所持しているか否かは、安全管理に十分な配慮を行えるかどうかの基準でもあります。海は天候によって様相が大きく変わります。安全な散骨を行うためにも、許可を所持しているかの確認、そして散骨をする海域に詳しい業者を選ぶようにしましょう。
★ポイント
・旅客不定期航路事業許可、内航不定期航路事業許可を所持している。
・安全管理に配慮し、散骨する領海・海域に詳しい業者を選ぶ。
◆散骨の正式記録、散骨証明書を発行している
霊園・お墓を持たずに海洋散骨のみの葬送を行う場合は、手元に何も残らなくなってしまいます。もし、全て海洋に撒いてしまうのを不安に思う方はあらかじめ分骨をしておくか、遺灰の一部を残しておくと良いでしょう。仏壇のような形ではなくとも、毎日身につけられる「遺骨ペンダント」のようなものやコンパクトな仏具や骨壷で供養をする手元供養、永代供養を行えば故人の意向を組みながら、また親族や菩提寺への配慮もできます。
海洋散骨には墓標となるものはありませんが、散骨した海域の経度、緯度をGPSで正式に記録した散骨証明書を発行してくれる業者があります。この証明があればお見送りした海域の方角を知り、手をあわせたり、後日その海域へ行きたい時も船舶で向かうことができるようになります。
★ポイント
・手元に何も残らない不安がある方は分骨ののち、手元供養や永代供養などもできる。
・散骨証明書があれば散骨した海域を確認することができ、日々手をあわせたり、再び訪れることも可能に。
比較的新しい葬送のスタイル、海洋散骨。自然に還るという意味でも多くの方から支持されていますが、法律や周辺環境、周辺住民に配慮した葬送が必要になってきます。このような点にきちんと心配りをしている、そして故人、ご遺族の想いをきちんと受け止めてくれる業者選びこそ、最後の最後まで故人に想いを馳せる思い出も、より良いものになるはずです。
海洋散骨という葬送を選択するときは、ぜひ上記にご紹介したポイントを踏まえて業者選びをしてみてください。